読書

無限の前に腕を振る

一週間ほど前から夕方になると山鳩の鳴き声がきこえるようになった。 でーでー、ぽっぽう。 北海道では太平洋側の一部でしか越冬しないそうで、山間部のここで鳴く山鳩は、暖かい所から戻ってきたんだなと思う。季節は巡る。 鳥や動物、昆虫の世界にも疫病は…

押してもだめ

えーと、 これは… 筆ペンで書いたのですね。 押しても、の「し」に年輪を感じますね。 ……そこじゃなくて? 「押してもだめ」 うーんとね、まずね、ここは雑居ビルの多目的トイレです。最近はユニバーサルトイレとか言うんだっけ? 入ると、写真には写ってな…

生活の詩(うた)

大きなやかんを 空のまんなかまでもちあげて とっくん とっくん 水をのむ とっくん とっくん とっくん とっくん のどがなって にょろ にょろ にょろ つめたい水が のどから むねから いぶくろへはいる (中略) どうして こんなに 水は うまいもんかなあ こ…

百年文庫「空」

(055)空 (百年文庫) 作者: 北原武夫,藤枝静男,ジョージムーア,George Moore,高松雄一 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2010/12/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 早春の美しい朝、画家になることを決意したその日から、いくの の新しい人生…

和菓子『人間失格』

買ってみたよ。 (シール剥がすの忘れた) 和菓子?カステラって和菓子なのね。 パッケージで文庫本二冊並べた位。結構大きいです。厚みも二センチ弱あります。カステラ…と書いてあるけど、シットリ柔らかいあのカステラではなくて、割と堅め…堅めっつたらダ…

クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉崎等

クマにあったらどうするか: アイヌ民族最後の狩人 姉崎等 (ちくま文庫) 作者: 姉崎等,片山龍峯 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/03/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 「クマは師匠」というアイヌ民族最後の狩人が、アイヌの知恵…

犬やねこが消えた 戦争で命をうばわれた動物たちの物語

犬やねこが消えた―戦争で命をうばわれた動物たちの物語 (戦争ノンフィクション) 作者: 井上こみち,ミヤハラヨウコ 出版社/メーカー: 学習研究社 発売日: 2008/07/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログを見る あなたは、犬や猫…

コロンバ

青 (百年文庫) 作者: 堀辰雄,デレッダ,ウンセット,Grazia Deledda,Sigrid Undset 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2011/05/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 十五歳の夏休み、都会から海辺の村にやって来た「私」の前に、幼馴染みだった少…

あの頃、あの詩を

お題「今日のおやつ」 よもぎ大福 餅がイマイチでした。 久しぶりに図書館へ行ってみたよ。 あの頃、あの詩を (文春新書) 作者: 鹿島茂 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/12/18 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (8件) を見る 思っ…

浅くなる、軽くなる

◯ 深みというようなことは そんなにえらいことではないんだ 寂(さ)びにすむということだっても そんなにたいしたことじゃないのだ 人間の深みや 人間の寂び それらは ややともすれば 歯のうくような浅はかさの隣人である (八木重吉詩集 花と空の祈り より…

降って、解ける

先週末は吹雪で、一週間雪が降ったりやんだりでした。寒い一週間でした。 三月ももう直ぐ終わりますね。もう、降っても除雪車は来ないので、路面状態がとても良くないです、特に朝。この時期、意外と交通事故が多いので、わたしも気をつけて運転します。滑っ…

冷たい風が頬を刺して

週末は良く晴れました。お昼頃、暇だったので、少しだけ雪割り(氷割り)をしてみました。日が照っていたのであったかいのかと思ったら風が強くて、結構寒かった…10分で退散です。 これ便利。ちょっと 重いけど。 氷割り ガン太 CS 出版社/メーカー: 村の鍛…

Hello in there

年齢と経験を重ねる一方で、愛する人や大切なものが剥がれ続けていく…老いて生きるってそういうことかもしれない。貴方にも私にも、いつかは訪れる現実。 「息子」という古い映画を見ました。 実は二度目の鑑賞です。前は子の目線で老いていく親について考え…

ジョージ・オーウェル「象を射つ」

(047)群 (百年文庫) 作者: オーウェル,武田麟太郎,モーム 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2010/10/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 「市場で象が暴れています」と連絡を受けた警察官が護身用のライフルを手にすると…。群衆に取り囲まれた…

愛と平和と今夜のおかず

いや〜……ねぇ…さすがにそれはまずいだろうって。まだ8月だし、だいぶ躊躇はしたんですけど 雨続きで洗濯物が乾かないから、ということを言いわけにしてストーブつけました。 ここんとこ、朝はずっと寒くてですね、何回かストーブのスイッチに手が伸びかけま…

山下清「ヨーロッパぶらりぶらり」

こないだ(夏、終わったかも)みたいなことを書いたら、お天気が「あっそう、もういいの?いいんだね、じゃーね!」って、拗ねてそっぽむいたみたいに、キーンと寒くなりました。桔梗も咲いたけど、芒の穂も出ちゃったけど…ごめんなさい、まだ行かないで、夏…

復讐の果てにあるものは…

…なんだろう、 ということを子供達に問いかけた絵本、アニメ。なんとも虚しく、悲しい結末を迎えるおはなしです。母親を狼に殺された子羊チリンの復讐譚。 チリンのすず (フレーベルのえほん 27) 作者: やなせたかし 出版社/メーカー: フレーベル館 発売日: …

ホイットマンのワルツ(Waltz Whitman )

ホイットマンは言った 歌い続けること。走り続けること。 心のおもむくままに、歩をすすめること。 陽気に自覚して 、歩み、歩みつづけること。 つねに、宇宙の、壮大な空気を呼吸すること。 心臓から汚れない血液を勢いよく送り出すこと。ばら色のからだを…

死ぬまで生きる

今週のお題「ゴールデンウィーク2018」 暦通りの休日でした。いつもの日曜日、みたいな過ごし方を毎日してました。 都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。 塗った爪の色を、きみの体の内側に探したってみつかりやしない。(青色の詩 最果タヒ「…

安房直子「白いおうむの森」

ひぐれのお客 (福音館創作童話シリーズ) 作者: 安房直子,MICAO 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 2010/05/25 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 歿後なお新たな読者を獲得し、読み継がれつづける安房直子。本短篇集は、…

Merle Haggard 「Mama Tried」

https://youtu.be/fHHp0JJ0xdE Merle Haggard ~ Mama Tried ちょうど2年前に亡くなったカントリー歌手マール・ハガード。 若い時は大変な不良だったそうで刑務所への服役経験もあります。マールの父は彼が幼い時に亡くなり母親は女手一つで彼を育てました。 …

「すべての見えない光」アンソニー・ドーア

遠く離れた誰かと 話ができるなんて 奇跡だということを、 僕らはすっかり 忘れてしまっている(アンソニー・ドーア) www.shinchosha.co.jp お正月休みに読むぞ〜と張り切っていた長編小説です。予想外に手こずりました。なぜかと言うとストーリーの時代背…

さみしいものの唄い止まない 内田良平の詩

「いわし」 いわしの父子(おやこ)が くたびれて 波に 打ち上げられて 死んじゃった 砂浜に まっすぐに 背骨のばしてならんでいる でも 泣いてやらなくて いいんです これでいいのかもしれません 死んでいても 目の玉は まだ 青い海の色(詩集おれは石川五…

筋金入りのクズですが

一日だけにしようと思っていた「ヤケになる」が予想外に尾を引きました「まあ、なんという事でしょう…」独り言を言ってみますが後の祭り。わかっているのです。こんなことでは気は晴れない。 どうなりと勝手になれといふごときわがこのごろをひとり恐るる。…

しやべくり捲れ!(しゃべくりまくれ!)小熊秀雄の詩

インターネット上の図書館青空文庫。著作権が消滅した国内外の文学作品が無料で公開されています。 (たまには詩でも読んでみようか。新鮮な気持ちで、先入観なく、詩の世界を味わってみよう。自分が生まれる前の時代の詩人の詩がいいな。)青空文庫の索引に…

冬休みダラダラ日記

お題「年末年始に見たもの・読んだもの」 長すぎる年末年始休暇が終わりました (以下年末に書いて下書きのまま忘れていたものに加筆) ナントカ暇なしじゃないけれど 日頃仕事と家事に追われている?ので 今日も明日も明後日も その次の日も仕事に行かなく…

面倒な女の詳細は意外と深かった マルセル・プレヴォーの「田舎」

パリで脚本家として成功しているピエエルの元に故郷イソダンから一通の手紙が届く。 差出人は初恋の女性マドレエヌ。 二人が出会った時ピエエルは十七歳の学生、マドレエヌは二十三歳の若き未亡人。淡い好意を寄せながらも姉弟のようなキスを交わすだけの仲…

ウェルズ・タワー「奪い尽くされ、焼き尽くされ」

奪い尽くされ、焼き尽くされ (新潮クレスト・ブックス) 作者: ウェルズタワー,Wells Tower,藤井光 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/07/01 メディア: 単行本 クリック: 15回 この商品を含むブログ (16件) を見る 多彩な視点と鮮烈な語りが、人々の静か…

エゴイストの回想

今週のお題「読書の秋」 エゴイストの回想(ダウスン) 街頭でヴァイオリンを弾くホームレスの少年は、ある日、貴族の婦人に才能を見出され彼女に引き取られます。パトロンの援助を得た彼は、数十年を経て、ヴァイオリニストとして富と名声をものにし、優雅…