読書

さみしいものの唄い止まない 内田良平の詩

「いわし」 いわしの父子(おやこ)が くたびれて 波に 打ち上げられて 死んじゃった 砂浜に まっすぐに 背骨のばしてならんでいる でも 泣いてやらなくて いいんです これでいいのかもしれません 死んでいても 目の玉は まだ 青い海の色(詩集おれは石川五…

筋金入りのクズですが

一日だけにしようと思っていた「ヤケになる」が予想外に尾を引きました「まあ、なんという事でしょう…」独り言を言ってみますが後の祭り。わかっているのです。こんなことでは気は晴れない。 どうなりと勝手になれといふごときわがこのごろをひとり恐るる。…

しやべくり捲れ!(しゃべくりまくれ!)小熊秀雄の詩

インターネット上の図書館青空文庫。著作権が消滅した国内外の文学作品が無料で公開されています。 (たまには詩でも読んでみようか。新鮮な気持ちで、先入観なく、詩の世界を味わってみよう。自分が生まれる前の時代の詩人の詩がいいな。)青空文庫の索引に…

冬休みダラダラ日記

お題「年末年始に見たもの・読んだもの」 長すぎる年末年始休暇が終わりました (以下年末に書いて下書きのまま忘れていたものに加筆) ナントカ暇なしじゃないけれど 日頃仕事と家事に追われている?ので 今日も明日も明後日も その次の日も仕事に行かなく…

書くべきものを持った人の圧倒的な筆致 久保俊治「羆撃ち」

羆撃ち (小学館文庫) 作者: 久保俊治 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2012/02/03 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (8件) を見る 知床の冬山に分け入り ヒグマを追う男と彼が育てた猟犬の話(ノンフィクション) いや〜凄い 凄いの一言…

正岡子規 「飯待つ間」

暇な昼休み、青空文庫にて読了。 正味2ページほどの小品です。高浜虚子のところに送られてきたこの原稿には、子規本人による猫のスケッチが同封されていました。「ついでに描いてみた。飯待つ間、の文と一緒に載せたらおもしろいんじゃない?」ということだ…

面倒な女の詳細は意外と深かった マルセル・プレヴォーの「田舎」

パリで脚本家として成功しているピエエルの元に故郷イソダンから一通の手紙が届く。 差出人は初恋の女性マドレエヌ。 二人が出会った時ピエエルは十七歳の学生、マドレエヌは二十三歳の若き未亡人。淡い好意を寄せながらも姉弟のようなキスを交わすだけの仲…

ウェルズ・タワー「奪い尽くされ、焼き尽くされ」

奪い尽くされ、焼き尽くされ (新潮クレスト・ブックス) 作者: ウェルズタワー,Wells Tower,藤井光 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/07/01 メディア: 単行本 クリック: 15回 この商品を含むブログ (16件) を見る 多彩な視点と鮮烈な語りが、人々の静か…

モーリー・ロバートソンとウシャコダ(追記あり)

先週、フジテレビのワイドナショーを見ていました。校則の話題から髪型、日本の英語教育について出演者が話していた時、コメンテーターの一人モーリー・ロバートソン氏が自分が日本の高校で受けた英語の授業についてちょっと愚痴っぽい話をして。モーリー・…

ブロードウェイの天使

老いぼれで身寄りのないノミ屋の「ベソ公」のところに、ある日若い男が飛び込んできます。傍に彼の娘らしい小さな女の子を連れて。 「次のレースまであと何分ある?」 「25分だよ」 「俺はこのレースの“確かな”情報を手に入れたんだ。これから14丁目の知り合…

エゴイストの回想

今週のお題「読書の秋」 エゴイストの回想(ダウスン) 街頭でヴァイオリンを弾くホームレスの少年は、ある日、貴族の婦人に才能を見出され彼女に引き取られます。パトロンの援助を得た彼は、数十年を経て、ヴァイオリニストとして富と名声をものにし、優雅…

感想・ 羊と鋼の森(宮下奈都)

今週のお題「読書の秋」 同じ著者のエッセイ「神様たちの遊ぶ庭」を先に読んでいた。それは著者が一家で一年間北海道トムラウシへ移住した体験記で、私も都会から田舎へ引っ越し僻地で子育てをしたことがあるのでとてもとても共感できた。書けない本音もあっ…

さかな1ぴきなまのまま

子供の頃、近所にZという男の子がいた。Zは私より一つ年上で、棒っきれみたいに細い身体の、肩の上に小さくてまん丸な顔がちょこんと付いていてた。 私の住んでいた町は緑が少なく、工場と古い団地が並ぶ殺風景な街並みだった。その隙間を埋めるように小さな…