正岡子規 「飯待つ間」
暇な昼休み、青空文庫にて読了。
正味2ページほどの小品です。高浜虚子のところに送られてきたこの原稿には、子規本人による猫のスケッチが同封されていました。「ついでに描いてみた。飯待つ間、の文と一緒に載せたらおもしろいんじゃない?」ということだったみたいですが、絵の方は残念ながらボツになりました。
ある昼下がり。
病身の子規は(飯はまだかな)と思いながら、することがないので布団に横になったまま、頬杖をついて外を眺めている。時間を潰すためだけに、庭にあるものを観察し、塀の向こう側の出来事に耳を澄ませる…
目の前の出来事をただつらつらと書いただけの、日記風の文章です。ゆっくりとした静かな時間の流れと食事を待つ子規のそわそわした気持ちの対比がいいなぁと思いました。こういうのを読ませちゃうのが、文豪の文豪たる所以ですね。
臥せっていた子規にとっては、食事だけが長い一日の中でメリハリを感じる唯一の時間だったのでしょう。教科書に載っていた有名な俳句しか知りませんでしたが、正岡子規の随筆、もっと読んでみたくなりました。まずは青空文庫から読んでいこうっと。
今日は久しぶりに一日中スカっと晴れていました
夕焼けが息を呑むほどキレイでした
あんまりキレイな景色をみてしまうと
わたし明日死んでしまうんじゃないか と心配になります
(ウソです)