死ぬまで生きる

今週のお題ゴールデンウィーク2018」

暦通りの休日でした。いつもの日曜日、みたいな過ごし方を毎日してました。

 

都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。

塗った爪の色を、きみの体の内側に探したってみつかりやしない。(青色の詩 最果タヒ夜空はいつでも最高密度の青色だ」より)

録画しておいた映画とドラマはどれもイマイチでしたが六日に、日本映画専門チャンネルでやってた映画は、見てよかったと思いました。

映画の元になった詩集を初めて読んだときは、受験生が夜中に殴り書きした日記を見てしまった、みたいな気がしました。よくわからんが所々ハッとすることが書いてある…かつての自分もそうだったかもしれない、でももう忘れた(思い出せなくてもいいの、なぜって恥ずかしいから!)っていう感じの、あれです。

…そう思った割には、読んでは途中で閉じて、また後でこっそりみて、また閉じて、結局最後まで読んでしまいました。

(自分と一緒にしちゃダメですね。鋭い感性とそれを言葉にできる素晴らしい凄い才能だと思いました)

夜空はいつでも最高密度の青色だ

夜空はいつでも最高密度の青色だ

 

この詩集を元に、ストーリーを創作した映画

都会の片隅で孤独を抱えて生きる若い男女の繊細な恋愛模様

田舎から東京に出てきて働いてる女の子(美香)と男の子(慎二)が出会います。美香は看護師をしながら、失業した父に仕送りするため夜ガールズバーで働いています。学生時代成績優秀だった慎二は片目が見えないことを隠していて、今は建築現場で日雇い労働をしています。

二人とも、他者と充分コミニュケーションが取れる子なのに、孤独も生きづらさもないだろうさ、って時々突っ込みたくなったけど、多分そういうことじゃないんだろうな。私はもう年月を重ねすぎて感情が雑になったからか、誰彼構わず突っかかる美香ちゃんに(そんなに突き詰めて考えなくてもいいんだよ)と声をかけたくなりました。昔の若者はもっと幼稚で「大人はわかってくれない、わかってほしい」ってジタバタしてるだけだったと思います。

私は美香と似た経験をしたことがあるのですが、慎二の方にも共感できました。いつも嫌な予感がするところ。生活費と、世界で日本で起きてるいろんな事と、好きな人に今すぐ会いたいのカオス(←一人暮らししてた頃の、訳のわからない不安定な気持ちです)

あと、頑張れって言葉はあんまりいい言葉じゃないかもしれないけど、生きてるとホントに辛いと思うことがたま〜にあって、そういうときは誰かに言われたり自分で言ってみたり、心底思うかどうかは別として、言葉の後押しがないと進めない時があって、だから、ストリートの女の子が歌う至極たよりない「がんーばぁれえぇぇー(頑張れ)」っていうのを慎二が「俺に言ってる」と思った気持ちはすごくわかりました。「脇汗かいて〜」で始まるちょっと微妙な歌詞と、お世辞にも巧いとは言えない歌唱力と、野暮ったいヴィジュアル(ごめん、でもそういう設定ですよね)、絶対売れないよねって陰口叩かれながらも変わらず堂々と歌い続ける姿。でも、聴く方の心境に変化が生じた途端、グイグイ迫ってくる…「誰になんと言われようが不器用でも不格好でも前に進もうとしてる感」は伝わりました、充分過ぎるくらい。

そして、側から見れば残念な大人の、中年の岩下さんが、実はけっこう強かかもしれないと思いました。「自分を不幸だと思ってもしょうがない」そのとおり!「死ぬまで生きるさ」大正解。かっけー…かっけーよ岩下さん。ざまあみやがれって、私も言ってみたい。

 

 

連休中はずっと家にいたので、テレビを見ることが多かったんですが、あのー、あれですね、

「猥褻」…って言う言葉のインパクト。全てが粉々に吹き飛んでしまう、すごい破壊力ですね。あの人にもこの人にも、それまでの人生の中で積み上げてきたものの中には「善きこと」も少なからずあったはずですが、それが全てなかったことにされるようなら、非情なものだな、と感じる私は甘いのでしょうね。

セ◯ハラについて社会全体で考えることは、個々の事案を「全て同じだ」と言い切って糾弾することではないんじゃないかしら。あれを世論といっていいのかな?誰が火に油を注いでいるのか。リテラシーって大事ですね。

起きたことは、一人一人違う人の事。ひとりひとりに名前があって今日もどこかで暮らしている。

誰の未来も奪われたくないと言った人の願いは叶っているのかな。

あの人は、今日誰かにちゃんと「おはよう」って言えたかな。

死ぬまで生きてね、お願いだから。