反省。

夕方、仕事から帰ってきてテレビをつけたら、昔の映画をやっていました。

(…これ見たことある)

思い出しました。

ミッドナイトクロス [DVD]

ミッドナイトクロス [DVD]

 

これはね、子供の頃、映画館で見たのです。今だったら、年齢制限で見られないかもしれない、昔はRナントカってなかったからね。

親がどこから貰ってきた映画館の無料招待券、株主招待券?それを渡されて「せっかくだから行っておいでよ」って言われて、きょうだいと一緒にノコノコ出かけて行ったんですよ。その招待券には期限があって、期間中に上映されている映画が見られる、ということで作品は選べない。見る前にどんなストーリーの映画かは全く知りませんでしたが、ジョン・トラボルタが出ているということだけはわかっていました。サタデーナイトフィーバーのヒットで知名度はあったので「片手をあげるあのポーズの人」くらいのことは、子供でも知っていました。

映画館に着くと、お客は、ものすごく太った外国人のおじさんと、工事現場にいそうなパンチパーマのおじさんと、私たちの、四人だけでした。前に座っていたパンチのおじさんは、映画の途中でポップコーンを容器ごと派手にひっくり返しました。どうでもいいことに限って、はっきり覚えているものですね。

ミッドナイトクロス(81年)はこんな映画

B級映画専門の音響効果音マンのジャックは、ホラー映画で使う音を求めて“風の音”を録音しに出かける。そこで車の川への転落事故を目撃した彼は、とっさに川に飛び込みサリーという女性を救うが、同乗していた次期大統領の有力候補は救えなかった。宿の部屋で事故の時に録音していた音を聞いていたジャックは、“銃声”の存在に気がつく。一方テレビでは、同じく偶然、現場に居合わせたというカメラマンが事故を語っていた。(シネフィルWOWOW放送作品紹介より)

 

こういう類の映画を見たのは初めてでしたから、クライマックスのハラハラとラストシーンの衝撃に、連れもそうだったと思いますが放心状態で、無言のままバスに乗って家に帰りました。そして、映画を見てから数日後、ラジオでこの映画の事が話題になり、デ・パルマという監督とドナジオという音楽家の名前を知りました。

今日久しぶりに見て…あ、見たのは途中からですけどね、二度目にもかかわらず結構のめり込んで見てしまいました。ラストシーンは初めて見た時と違う意味で(えええーっ!)と思ったけど、むかしスクリーンを見て感じた素直な(えええーっ!)の方を大事にしよう、鮮烈さと余韻、あれはあれでいいんだろうと、思い直しました。

ほんの一瞬でも、映画のワンシーンをつまみ上げて、一方的な「正しさ」だけの物差しで計ろうとした、今の自分の感覚はホントつまんないな!と、ちょっとだけ落ち込みました。