あの日の青い空


15歳 / ウタタネ(2005.7.5 京都磔磔)

くだらないことほどよく覚えている。

中学生だった。晴れた日の日曜、自分の部屋のベッドで大の字になっていた。開けっ放しの窓から青い空が見える。白い飛行機が横切っていく。十年後、二十年後、自分は何をしているんだろう…ふと思った。大人になった時、今この瞬間のこと、覚えていられるかな?……よし!覚えておくぞ、忘れない、忘れない、目を瞑って呪文のように唱えた。

そして、あれからもう二十年、どころか更に加齢しているけれど(汗)、あの時の空の青、まだ覚えている。日々の暮らしの必要なこと、人の名前なんかつい「あー、あれあれ、あれなんだっけ?」と忘却の彼方にすっ飛ばしているというのに。

あのねー、君ねー、こんな田舎早くでていきたいって思ってるでしょ。でもね〜◯十年後、そこよりもーっと田舎、山奥に住んでるから。残念だったね〜。それからね、ノストラダムスの大預言は大ハズレだからね、先のことは“ちゃんと”考えなきゃダメよ、それより勉強しなさいよって…

でもね、あの四角い窓から見えた青い空を覚えているおかげで、いつでも「15歳」を思い出すことができるのです。